乙一さんのエッセイ(?)
乙一さんのブログの内容をそのまんま本にまとめたものです。
乙一さんを一言で語ると
「今時の作家」です。
ファンも若い人が多い。
ジャンル的にはホラーで、作品も良いと思うのと「う~ん」というのと両極端。
私が苦手な作品はグロいものです。
読んでて吐き気がした本もありました。
それだけ具体的にイメージさせる力があるし、感性は独特なものがあります。
さて、この「小生物語」ですが、自分のことを「小生」または「僕」と言っています。
私は最初全部本当のことを書いてるのだと思ってました。
でも、途中で「ん?違うんじゃない?」と思うところが所々あって、「あ、これはエッセイと言っても作り物なわけね」と納得しました。
だって部屋に缶のゴミがたまって、その缶の山を崩さないように小さい缶を買うようにしたとか。
そこまでは、「ふ~ん。男の一人暮らしってそんなもんか」と思ってたけど、何故缶のゴミがたまるのか。
それはゴミの収集所が遠いからだ。
収集所まで行くのに4日かかる。
という時点でさすがに鈍な私もこれは嘘でしょう・・・と気づきました。(遅いって!)
それはそれなりに割り切って楽しんで読めました。
だってやはり感性がすごい!
13日の金曜日に3人のジェイソンに会ったというんです。
それはもちろん、例えだけど、そういう風にこの人の目を通したら見えるのねと思いました。
だけど、段々最後のほうに行くにしたがってつまらない話ばかりになりました。
それは、そのブログを読んでたファンが、乙一さんのことを本当にそういう人だと見だしたから、らしいです。
嘘を嘘としてみることが出来ない。
そのまんま思い込む。
そういう人が増えていくことに作者自体少し困惑して当たり障りのないことばかり書くようになって・・・。
それで言うとネットの人間関係もそうですよね。
プロフィールだって日記だって適当に絵空事を書くことはいくらでも出来るんです。
でもそれに対してきたコメントやメッセージは自分宛のものであってそうじゃない。
自分が嘘で塗り固めて作り出したもの。
だから虚しくなるんだろうな~と思います。
私は基本、嘘がつけないんです。
ここに書いてることも本当のことばかり。
等身大の私を書いて、それについてけない、こんな人・・・とバカにする人がいたらそれはそれでいいと思う。
本当は楽しくさせるために少し嘘をついたり大げさにした方がいいのかもしれないけど・・・。
あと、この本で面白い、多分これは本当のお話だと思う話がありました。
ある日、乙一さんがファミレスに入るとマンガ家らしい人がいた。
何故分かったかというとその人の服にスクリーントーンの切れ端がついていてストーリーを考えてる様子だったから。
でも見た目さえない中年で服もみすぼらしい人だったらしいです。
それで、周りの女子高生はその人を見ながらバカにしたような言葉を言っていた。
すると、中年の男性がその人を迎えに来て、一緒に黒塗りの普通では買えないような高級車に乗って走り去ったそうです。
後でその人がすごく有名なマンガ家だと知った・・・というエピソードがありました。
その時、バカにしてた女子高生は口をあんぐり開けてたそうです。
こういうのって胸がすいて気持ちいいエピソードですね

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